最近、「学力の経済学」を図書館で借りて読んでみました。
教育経済学に関する書籍で、効果的な子供の教育について、統計的なエビデンスを混じえて説明があったため、勉強になりました。
教育経済学とは、データを集めて、統計的に有効な教育のありかたを分析する学問のようです。
読んでいて共感できる部分が多かったので、備忘録の意味も込めてブログの記事にしようと思います。
- 幼児教育と非認知能力の向上
- 褒めて育てるのは良いのか
- ご褒美で釣るのは良いのか
- 家庭での学習について
- 幼児教育の投資効率は年利10%
- 習熟度別授業は効果あり
- 優秀な先生の効果は高い
- 少人数学級は効果ありだがコストに見合わない。
- 結局どのように教育するのが良さそうか
- まとめ
幼児教育と非認知能力の向上
幼児教育により「非認知能力」の向上が見られたとのことです。
エビデンスとしては、ペリー就学前プロジェクトとアベセダリアンプロジェクトが挙げられていました。
非認知能力とは学力では測れない能力を指しており、結局はPDCAのことだと理解しました。
非認知能力に関する私の理解としては下記の通りです。
- 自分が望む目標を正しく設定する能力。
- 目標を達成するまでの計画を立てる能力。
- 計画に沿って努力を継続する能力。
- 努力の方向が、目標や計画からずれていないか振り返る能力。
非認知能力は学力とは異なりますが、学力を高めるために重要な能力だと思います。
また、非認知能力は学校を卒業後にも仕事や私生活で使える能力なので、幼少期に高めるのは能力の基礎を形成するのに重要だと思いました。
褒めて育てるのは良いのか
褒めて育てるのは基本的に良いようです。
テストの点数が良かったなどの「結果」を褒めるよりも、本を読んだなどの「過程」を褒める方が効果的なようです。
「結果」が出るまでには時間がかかるためタイミング良く報酬を与えるのが困難ですが、本を読むなど過程を褒めるのはすぐに報酬が貰えるため良いとのことです。
また、悪影響のある褒め方もあって、頑張らずに結果が出た場合に褒めると、努力しなくなるなどの弊害もあるようです。
また、やればできるなどの根拠のない褒め方も良くないようです。
ご褒美で釣るのは良いのか
ご褒美で釣ることによる悪影響は無く、やる気の向上に効果があるようです。
幼少期はスタンプなど金銭以外の報酬でも効果があり、年齢を重ねると金銭による報酬が良いようです。
いずれにせよ、前述の通り「過程」に対して報酬を与えるのが良いようです。
家庭での学習について
学校での学習の時間は限られているため、家庭での学習が重要なようです。
その際に、親がどのように関わるかが大事なようです。
例えば、親が子供に「勉強しろ」というのは効果が薄く、隣に座って勉強を教えたり、勉強の時間を決めて守らせることは効果が高いようです。
効果の高い家庭学習には、親の時間を捧げる必要があるとの説明でしたが、時間が取れない場合は家庭教師などお金の力で解決も可能とのことでした。
幼児教育の投資効率は年利10%
小学校入学前の幼児教育の投資効率は年利10%との説明がありました。
これが本当であれば、長期的な株式インデックスよりも投資効率が高いことになります。
投資効率は別として、幼少期の段階で能力を高められれば、その後の学校教育から得られる効果を高められるため、幼児教育が重要というのは理解できる気がします。
国語や算数といった認知能力を高めるための投資よりも、非認知能力を高めるための投資が良さそうです。
習熟度別授業は効果あり
周囲に自分より少しだけレベルの高い友人がいると、良い効果があり、習熟度別授業は効果的なようです。
周囲が自分より能力が高すぎる環境だとやる気を無くし、逆の環境だと努力しなくても結果がでるので、それも良くないようです。
ただし、子供が小さいうちから習熟度別で分けてしまうと、能力の伸びに悪影響があるとのことです。
なんにせよ私の過去の経験を振り返っても、環境は大事だと思います。
コントロールしにくい箇所ではありますが…
優秀な先生の効果は高い
能力の高い先生から得られる学習効果は高いとのことです。
この点については、実体験があまり思い浮かびませんでした。
少人数学級は効果ありだがコストに見合わない。
少人数学級の効果は無いわけではないが、教師の人件費などを考慮すると、費用対効果は低いようです。
結局どのように教育するのが良さそうか
我が家について考えると、おおよそ以下のような方針が良さそうと思いました。
目標設定
将来的にどのようになりたいかを子供と親で考えることが大事だと思います。本人が望む目標を設定を設定することがモチベーションにつながると思います。
子供は社会経験が乏しいため、複数の選択肢を親が教えてあげる必要があると思います。
計画
目標を達成するために、何をするのか細かく計画を立てます。
目標の達成度を細かく分けてマイルストーンにします。
最初は難しいと思うので、親の協力が必要と思います。
継続
継続的に努力できているかスタンプなどで見える化して、過程に対して報酬を与えるようにします。
振り返り
期末テストなどの大きな区切りの後には、結果と過程の両方を振り返ります。
努力しており過程が良かったにもかかわらず、結果が伴わなかった場合は、報酬を与えます。この場合は、計画が良くなかったということなので、次回からの計画を見直すようにします。
過程が悪かったのに結果が出た場合は、報酬を控えめにしても良いかもしれません。
まとめ
学力の経済学では、効果的な教育のあり方について、統計的なエビデンスとともに説明されていました。
家庭での教育の方向性を決めるのに良い書籍だと思います。
学校の課題などを利用しながら、非認知能力の向上に注力し、子供が興味を持っていること、好きなことに繋げながら、国語や算数などの認知能力の向上を目指すのが良さそうです。