こんにちは。考えるチキン(@thinking_ckn)です。
私は積立投資をメインの投資方法としており、購入対象は時価総額加重平均のインデックスファンドとしています。
定期的に別の投資方法に手を出したくなるため、考え方を整理します。
まずは「銘柄分散」と「時間分散」について整理します。
- 効率的市場仮説
- ランダム・ウォーク理論
- 時価総額加重ポートフォリオ
- なぜ時価総額加重平均のインデックスファンドを購入しているか
- アノマリーとバブル
- なぜドルコスト平均法による時間分散をするのか
- 懸念点
- まとめ
効率的市場仮説
銘柄分散の意義を説明するには、前提として「効率的市場仮説」を説明する必要があります。
効率的市場仮説とは、市場は効率的であるため情報はすぐに相場に織り込まれるという理論です。
大きく3種類に分類されます。
ウィーク型
「現在の株価には過去の株価情報だけでなく、売上や財務状況などの全ての公開情報が織り込まれている。」という考え方です。
専門家の間でも比較的その信憑性が認められています。
ウィーク型が成立する場合、過去の相場を分析するテクニカル分析では超過リターンをあげることはできないということになります。
セミストロング型
「現在の株価には過去の株価情報だけでなく、売上や財務状況といった全ての公開情報が織り込まれている」という考え方です。
誰も知らなかった情報が公開されれば、株価はそれを織り込む動きになります。
機関投資家が仕事として売買をする限り、一般投資家に先んじて情報を織り込むことになるため、一般投資家にとってはセミストロング型も当てはまるのではないかと思います。
セミストロング型が成立する場合、企業の会計情報を分析するファンダメンタル分析では超過リターンを上げることはできないということになります。
ストロング型
「未公開の内部情報すらも株価は織り込んでいる」という考え方です。
ストロング型が成立する場合、インサイダー取引によってすらも超過リターンをあげることができないということになります。
これはちょっと言いすぎな気がします。
しかし相場は未公開の将来の情報を予想して織り込むというのはあると思います。
ランダム・ウォーク理論
効率的市場仮説が成立する場合、ランダムウォーク理論も成立します。
ランダムウォーク理論とは、相場はランダムに動くため予想できないという理論です。
効率的市場仮説では、市場は効率的であるため情報はすぐに相場に織り込まれます。
ポジティブな情報も、ネガティブな情報もいつ発生するか分からないため、その影響を受ける相場の上げ下げはランダムになります。
時価総額加重ポートフォリオ
時価総額加重ポートフォリオでは、時価総額が高い銘柄は多く購入し、時価総額が低い銘柄は少なく購入します。
効率的市場仮説が成り立つなら、時価総額の高い銘柄は価値の高い銘柄です。
時価総額加重ポートフォリオに従って、全ての銘柄に分散して購入するのが最も効率的な選択となります。
計算が楽で管理がしやすいから採用されている感じですかね。
これらの指数に沿ったインデックスファンドを購入すれば、時価総額加重ポートフォリオを購入していることになります。
ちなみに、アメリカのダウ平均株価と、日本の日経平均株価は時価総額加重平均ではありません。
なぜ時価総額加重平均のインデックスファンドを購入しているか
ではなぜ時価総額加重平均のインデックスファンドを購入しているのでしょうか。
アクティブファンドの半数はインデックスファンドに勝てないから
投資のプロであるファンドマネージャーが決めるアクティブファンドの半数は、その長期的なリターンにおいて時価総額加重平均のインデックスファンドに負けているようです。
これは相場はランダムウォークしており、予想できないということの裏付けになると思います。
相場を予想して超過リターンを上げることができない場合、アクティブファンドのように売買を繰り返して手数料と税金を取られているファンドよりも、売買を最小限に抑えたインデックスファンドの方が有利です。
(まあ、ウォーレンバフェットのように市場平均に勝ち続ける人もいるのですが。)
また上記のことから、私のような素人が個別株に投資するのも、銘柄選択による時間の無駄であり、インデックスファンドにリターンで勝てないことによる金の無駄である可能性が高いです。
ランニングコストが安いから
インデックスファンドはアクティブファンドよりも信託報酬などのコスト面で有利です。
インデックスファンドと比較して、アクティブファンドのリターンに優位性がないのなら、コストが安いインデックスファンドを選択したほうが有利です。
市場の平均点であり納得感があるから
インデックスファンドを購入するということは、市場全体に投資していることと同義です。
基本的には世界市場は成長し続けるため、インデックスファンドも右肩上がりとなるはずです。
また、インデックスファンドのリターンが悪い場合は、投資対象の市場自体のパフォーマンスも悪い状況にあるため、個人的にはこれで損する分にはしょうがないと思っています。
アノマリーとバブル
市場が効率的なら、なぜバブルと暴落は繰り返されるのでしょうか。
効率的市場仮説では説明できない事象として、アノマリーがあります。
アノマリーの1つに「ダウ理論」があり、過去には超過リターンを上げることができたようですが、今では有効性は認められないようです。
これらのアノマリーが一般的になり、市場に浸透すると有効性は無くなります。
例えばバリュー株投資で超過リターンが見込めるとの情報が出回ると、市場が効率的なために投資家はこれらの株を購入します。
結果的に割安銘柄が無くなり、超過リターンを上げることができなくなります。
市場が効率的なら、バブルと暴落も発生しないため、これもアノマリーの1つであるといえます。
歴史的にバブルや暴落が繰り返されているため、効率的市場仮説とは別のルールも存在するのだと思います。
バブルと暴落については、行動ファイナンス理論で説明できます。
しかしながら、バブルや暴落も最終的にはリバーサルして平均へ回帰する修正があることから、全体的に長期で見れば市場は効率的なのだと思います。
なぜドルコスト平均法による時間分散をするのか
ここまでで、インデックスファンドにより銘柄分散する理由を整理しました。
次はドルコスト平均法で時間分散する理由を整理してみます。
ドルコスト平均法は、長期投資を続けるためのツールだと思っています。
長期投資はリスクの低減とリターンの安定化の面でメリットがあります。
長期投資でのバイアンドホールドは市場の暴落を全て受ける代わりに、上昇局面における利益も全て受けるという戦略です。
なので、暴落時に狼狽売りして、上昇局面で買いなおしていてはリターンが低下します。
ドルコスト平均法はリスク低減する
世界は経済成長を続けるため、市場平均は長期的に右肩上がりとなるはずです。そう思わないなら投資はしない方が良いです。
そして、右肩上がりであるなら、期待リターンは初期に一括投資してホールドし続けるのが良くなるはずです。
ただし、この方法ではリスクが高くなります。
ドルコスト平均法は、一括投資と比較して、期待リターンを犠牲にして、リスクを減らします。
相場はランダムウォークなのだから、いつ上昇して、いつ下落するかは分かりません。
なので、時間を分散して購入するというのがドルコスト平均法です。
これにより高値での一括購入を防ぐことができます。
ドルコスト平均法はリスクを後回しにするか
ドルコスト平均法では、保有額が終盤では大きくなるので、リスクを後回しにしているだけとの話もあります。
これについては、積立投資の終盤では、平均取得単価が低くなっているため、トータルで見ると一括投資よりリスクを低減できるはずです。
下落局面でのドルコスト平均法
一括投資においては、下落局面はデメリットしかありません。
ドルコスト平均法においては、下落局面で安く買い向かえるというメリットがあります。
下落局面でもこのような言い訳があれば、長期投資をするうえで心理的にも楽になると思います。
ドルコスト平均法は、長期投資における下落局面を乗り切るために有効な戦略です。
懸念点
アクティブファンドよりもパッシブファンドの運用額が大きくなったとのニュースを見ました。
これにより、時価総額が高いからという理由だけで買われる市場になってしまうのを懸念しています。
アクティブファンドが存在するからこそ市場が効率的になるのに、アクティブファンドの運用額がパッシブファンドの運用額を超えると市場が非効率になるのではないかと思ってしまいます。
市場が非効率になったときに、インデックス投資は終わる気がします。
インデックスファンドでは時価総額加重で購入していくため、現状では米国に資金が集まりやすい仕組みになっています。
さらに米国の中でも時価総額の大きい企業に金が集まりやすいです。
その結果、時価総額の大きい国や企業はさらに時価総額が大きくなり、実体経済と乖離してバブルに突入していく気がします。
市場が非効率になるということは、ランダムウォークではなくなり、相場の予想ができるようになるということでしょうか。
市場平均の超過リターンを上げるのが容易となるため、次はアクティブファンドの時代になるんですかね。
まとめ
久しぶりに投資関連の記事を書いた気がします。
今回は「銘柄分散」と「時間分散」の意義について整理してみました。
ここまでは理解できているのですが、問題は次の「地域分散」と「アセット分散」です。
「地域分散」については意義が理解できているのですが、「アセット分散」については理解しきていません。
「地域分散」と「アセット分散」については、ここに記すには余白が狭すぎるため、この話は次の機会にしようと思います。
関連記事です。
「地域分散」と「アセット分散」についても記事にしました。